商業媒体から依頼が来た時に確認すべき事
- 原稿料と振り込み時期
- 印税の有無
- 権利 出版権と公衆送信権
- 原稿の大きさ(B4 または A4サイズ)
- 想定している仕上がり版面
- 締切
- 納品方法とデータ保存形式
- 売り方
知っておくと良い数字関係
・モノクロ原稿 600dpi~1200dpi
・カラー原稿 350dpi以上
※dpi(ドットパーインチ) 1インチ四方の中にある色点の密度の事
上記はスタンダードな数字なので設定として覚えておこう。
1. 原稿料と振り込み時期
これは一番大事な事なので必ず確認しましょう。
明確な金額を提示されず「他社との兼ね合い」と言う事で編集者が探りを入れてきます。
商業媒体が初めてなら、その会社の新人価格になります。
この額を高いと見るか安いとみるかは自分次第です。
ページ単価が安すぎるなら受けない勇気も必要。
この原稿料の話は別の機会に相場感を話します。
振り込み時期については納品から時間が空く場合があるので、必ず確認しましょう。
納品起点で○か月後や出版されてから○か月後など、会社によってルールがあります。
その間はアシスタント代など建て替えないと行けないので、運転資金には余裕を持っておきましょう。
2. 印税の有無
著作権を「買い切り」で原稿依頼される事があります。
原稿が「買い切り」でない限り、出版されれば出版印税、配信されれば配信印税が派生します。
「印税の派生しない買い切り制はひどい、けしからん!」
と思うかもしれませんが、買い切り原稿料の方が通常の原稿料より高くなる場合もあるので、善し悪しです。これも仕事前に確認したいですね。
3. 権利~出版権と公衆送信権~
公衆送信権はWEB配信が始まってから知られるようになった権利で、出版権とは異なります。
作品が出版される時は出版契約書を結ぶ事になり、配信される時は公衆送信権の契約書が結ばれます。
契約書のタイミングは執筆前だったり、納品後だったり、公開後だったりと各社まちまちです。
マンガ界に新規参入してきたIT系は執筆前に契約書を交わす事が多いようです。
古くからの出版社は口約束や信頼関係で成り立っていたので、契約書のタイミングが遅い所もあります。
また、WEBマンガ専業の会社だと出版権を結ばないので、自分で出版してくれる会社を探しても良いのです。これは担当編集者に相談してみましょう。
4. 原稿の大きさ(B4 または A4サイズ)
一般的に絵は大きさで値段が変わるのですが、マンガでは曖昧になってます。
A4よりB4は大きな画面になって描く面積が大きくなります。
データ原稿が増えている現在では、デジタル的に絵を拡大出来ますので余り気にしなくて良いかと思います。
5. 想定している仕上がり版面
004に話は似てきますが、出版する際にA5なのかB6なのか新書サイズなのかは確認しておきましょう。縮小したときに絵が潰れる場合があります。
またカバーのカラーイラストなどは大きくポスターなどで引き延ばされる可能性もありますので、B4やA3で描いておいても良いかもしれません。
6. 締切
締切は命の次に大切です。
必ず確認しておきましょう。
トラブルが派生した場合は速やかに担当編集者と相談しましょう。
大切な事なのでもう一度言います。
締切は命の次に大切です。
7. 納品方法とデータ保存形式
アナログ原稿なら宅配便や郵送、または対面での引き渡しが主流です。
データ原稿はネットストレージ便での納品が主流です。
Gigafire便やfirestorageが有名です。
データの保存形式ですが統合したpsd(フォトショップデータ)形式が主流です。
編集部のPhotoshopのバージョンを確認して、開けるような形式で保存してあげましょう。
上記は必須ですが、原稿に文字を入れたjpgデータと文字のテキストデータを要求する編集部もあります。
あと手元には必ず統合していないデータを残しておきましょう。
編集部からの指摘があった場合、修正が利きます。
8. 売り方
納品した作品の売り方についても確認しておきましょう。
いつ、どの媒体で掲載されるのか?
配信の場合、単話売りはあるのか?
単行本化されるにはどのくらいのページを描けば良いのか?
連載なら理想的なルーチンはあるのか?
WEB専売なら紙の出版は自分で探しても良いのか?
契約書の有効期限はどのくらいか?
単行本化に際しての協力に金銭は派生するのか?
などです。
また気づいた事があれば書いていきます。
ほな、またね。