皆さん、ごきげんよう。現役おっさんマンガ編集者の爆進堂です。
この記事を読むとマンガ原稿の内枠、外枠の概念が分かります。
今日は原稿用紙についてです。
マンガの原稿には内枠と外枠という概念があります。
意外とマンガ初心者にこの概念の重要性を分かっていただいてないので丁寧に説明します。
重要な絵やフキダシは必ず内枠の中に納めるようにしましょう。
内枠とは図の緑の範囲で
B4原稿用紙なら縦270ミリ×横180ミリ、
A4原稿用紙なら縦220ミリ×横150ミリ
の枠の事です。
編集者はこの内枠で紙の本を作る際の版面の基準にしているので、きちんと内枠を合わせていない原稿は本にした時に画面が乱雑に見えます。
内枠を無視して外枠にフキダシや重要な絵を置くと本のノド(内側)に食い込んだり、小口(外側)で切れて見えなくなってしまう恐れがあるからです。
また外枠(図の青色)も基準の仕上がり線までではなく、
その外側5ミリ(赤色部分)まで絵を入れておく
ようにしないといけません。
その理由は印刷所の機械によって断ち切りの食い込みが3ミリ~5ミリまで幅があるからです。手間を惜しんで作業をサボると絵が足りてないヘッポコな画面が出来てきますのできちんと描いておきましょう。
少し昔話をしますが90年代にマンガ編集者になった私は、編集長に断ち切りコマの多用を控えるように気をつけてネームを見ろと指導されたものでした。そこには「断ち切りコマは画面に勢いをつける時に内枠をぶち破って使うものである」という思想がありました。もはや失伝した口伝とも言えますが一つの見せ方といえます。
一時期のヤングマガジンのマンガを見ていると上下には断ち切りが入っているのですが、左右はなかなか断ち切らないよう編集部で指導しているのが分かりました。
人間の横に長い目の構造上、上下の画面はさほど気にならないけど、左右の画面が広がるのには敏感なのかもしれませんね。
ほな、またね。