WEBの発達に伴いマンガ発表は格段に簡単になりました。
結論からいうと描き手の能力さえ伴えば、
週刊連載も日刊連載も可能な状況
です。
新人マンガ家獲得&育成事情
原因の一つには出版社の新人育成能力が落ちたからです。
90年代までは新人マンガ家さん用に雑誌の増刊号を作って新人さんを掲載し、そのアンケートで本誌掲載への道が開かれるというルートがありました。
90年代半ば以降、本以外にも音楽やネット、ゲームなど人々の自由に使える時間の選択肢が増えました。
その過程で雑誌の売れ行きが下がって、出版社が新人用の増刊を出せなくなったからです。
現在ではWEBサイトがその代役を果たしています。
WEBサイトの一例を挙げると、週刊少年ジャンプはWEBサイト「ジャンプ+(ぷらす)」とその下に「ジャンプルーキー」を始動させて新人の吸い上げルートを構築しています。
サイトの情報によると、原稿料の設定もはっきりしていて
ジャンプルーキー→5000円/1Pと人気ボーナス金
ジャンププラス→読切 9000円/1P~
連載 12000円/1P~
という風になっています。
はっきり言ってすごく親切です。
ただしジャンプ・ルーキーは担当は付かないまでも、掲載には担当者の審査があるようで、表現のチェックなども指導されるとの事。
同じような目的で小学館の「サンデー」ブランドは「裏サンデー」「サンデーうぇぶり」などのサイトを始動し、講談社の「マガジン」ブランドは「マガジンポケット」「コミックDAYS」「DAYS NEO」などを構築しています。
中小の出版社もそれぞれ大なり小なりのサイトを作っており、次代のヒット作を作らんと日々の更新に血道をあげている状況なのです。
これらのサイトは描き手の能力さえ伴えば、週刊連載も日刊連載も可能な状況だといえます。
単行本サイクルの戦略
むしろサイト更新がユーザーを呼び込む導線になっているのですから、描き手の完成スピードが速い事が歓迎されます。
単行本化の観点からも、週刊マンガ誌からの単行本サイクルを考えれば、4ヶ月に1冊のペースで出せば、年間3冊。月刊誌でも40ページ連載なら4ヶ月で単行本の原稿が貯まります。
この単行本ペースは理想的です。
※ここでの単行本はB6判型で本文160ページと仮定しています。
逆に遅筆な作家は常に不利で、160ページを貯めるのに1年以上掛かって、続刊の発売間隔が空いてしまうと途端に読者が離れてしまいます。
大量の情報洪水に流されている読者は、1年以上前に読んだマンガの事を忘れてしまうからです。
なので手を速く動かす事はマンガ家生命に直結するのです。
Twitter発表の戦略
原稿料は出ませんがTwitterをポートフィリオ代わりに掲載するのも有効です。
数枚原稿を載せてバズれば、常に目を光らせている各出版社の編集が我先にと出版を申し込んできます。
Twitterで発表する場合も70%の完成度でも良いので、ある程度の枚数を描いて用意してから更新ペースを考えて発表しましょう。
一度に発表するとフォロワーが増えないので更新を予告してアップして行く方が有利です。フォロワーの数はそのアカウントの実力でもあるので増えた方がお得です。
また、なぜ70%の完成度かというと、完全な完成原稿だと商品化したときの差別化が出来ないからです。
スカウトだと条件交渉が出来るので新人でも有利になるでしょう。
特に年齢も判定要素に組み込まれやすい持ち込みや賞レースに不利と言われる高齢者へのスカウトも来やすいです。純粋に作品だけで判断されますからね。
この事を念頭に戦略を立てていきましょう。