【2023年1月定点観測】WEB TOONの話(1)

次世代を覇権するWEB TOON!?

最近のマンガ業界では各社縦読みマンガ【WEB TOON】の開発に血道を上げています。

「WEB TOONこそ世界標準」だからだそうです。

WEB TOONはマンガの読み方が紙から電子配信へ移行する中で出現した表現方法で、主に韓国から世界に向けて発信されて広がっていきました。

WEB TOONが世界市場に受け入れられている理由はズバリ「ページめくりの方向を考えなくて良い」事です。

縦書き右開きの日本のマンガは世界市場に出る際、強制的に逆版に印刷されて左開きにされたり、縦長のフキダシも横書きのフキダシに描きかえられたりしてきました。

そんな課題をWEB TOONの縦スクロール読みは難なくクリアしたんですね。これは縦読み一辺倒な日本マンガの脅威です。

対応に苦戦する日本のマンガ業界

世界一のマンガ大国を自負する我が国では、マンガ家さん、編集者共々紙ベースの表現方法から頭が切り替わらずに苦戦しています。

現役マンガ編集者の私も縦スクロールの作品に興味を示せず、紙ベースで思考してしまいますね。正直「紙の本が実売○万部!」という栄光にも未練たらたらです。

どこが既存の考え方を爆砕するサイト主なのだかと自分でも思います(笑)。

本屋さんが減ってきているとはいえ、紙の本への信頼と需要はまだまだ太い我が国。電子配信から単行本化はなかなか切れないのも事実。

現状の書籍化されたWEB TOONはページめくりの演出から開放されているせいからか、違和感が多く商品として不満が残るモノも多いです。

なので縦スクロール作品を作る時は書籍化によるマネタイズを諦めるかという話も出るぐらいです。

こんな話もいずれは解決法が見つかるかと思いますが。

打開策はあるの?

これといって良策は思いつかないのですが、一番向いていると思われるのは4コママンガ。

その中でも私は「ストーリー4コマ」と称されるジャンルを扱うのがベターかと思っています。

一例を挙げると『月刊少女野崎くん』とかは理想的なストーリー4コマですね。

ただ既存の「ストーリー4コマ」は日本人の日常系のテーマを扱うモノが多いので海外展開は難しいかもしれません。

やはり海外で勝負をしようとするとジャンルとしてはSFやファンタジー、ミステリーの作品を増やさないといけませんね。

WEB TOONはまだまだ黎明期かと思われるので、機を見て語っていきます。

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この記事を書いた人

中小版元にいたりフリーだったりで、四半世紀をマンガ編集者で食っております。
「編集者はクリエイターの良き影のパートナー」がモットー。
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マンガ家さんとのより良い未来を作るぞ~。

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